この記事は、作曲・編曲:田中秀和の「JAM GEM JUMP!!!」イントロ部分のコード進行の解説をします。
また、簡単のため「Key=C」に移調して解説しています。
機能としてトニックはC、サブドミナントはF、ドミナントは Gの色分けしています。セカンダリドミナントはE7とします。
しかし、同じコードでもクラシック目線、ジャズ目線で異なる機能を持つことが多いので、参考程度に見てください。

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「JAM GEM JUMP!!!」のコード進行を解説【イントロ編】


0:21 – 0:40の部分です。二回目からの再生はフルで流れます。
ちなみにPCの方は動画を右クリックするとループできます。

コード進行を見る

FM7G/FEm7Am7

Bm7-5E7Am7 AbaugC/G Caug

F#m7-5B7Em7A7(b9,b13) A7

Dm7Dm7/GDm7-5 DbM7 CC7(#9)

コード進行の解説【一行目】

FM7G/FEm7Am7

これは4-5-3-6進行の亜種で5のG部分がG/Fに変えられています。
このG/FG7の転回系と見ても、Fに6th,9th,#11thのテンションが乗った形と見ても良いと思います。また、G/Fの強拍メロディが「シ」「レ」なのでこのコードとしっかり合っていますね。

コード進行の解説【二行目】

Bm7-5E7Am7 AbaugC/G Caug

頭のこのBm7-5は一瞬驚きますけど大丈夫です。一旦、置いといて全体像を見てみます。
Bm7-5E7Am7を見てください。これはイ短調(Aの中心音による短調)の2-5-1進行になっています。「今までハ長調で作ってたけど、いきなりイ短調のコード使ってみたら面白くない?」と編曲者の遊び心で、異なる調から持ってこられた和音を借用和音と言います。
ポップスでは、違う調の2-5-1進行を急に使う事が多々あるので、急に変な和音があっても落ち着いて考えるようにします。

次にAm7 AbaugC/G Caugの部分。augばっかり!でも落ち着けば大丈夫です。
Am7C/Gのコード進行は「ド」と「ミ」の音は固定したまま「ラ」の音だけ「ラ」→「♭ラ」→「ソ」と半音ずつ下がっていますね。この半音ずつ下がる一連のコードを下降クリシェといいます。
また、最後のCaugは次のF#m7-5へと向かうセカンダリドミナントとしての役割があります。CaugC7の代理として使われることが多いです。

コード進行の解説【三行目】

F#m7-5B7Em7A7(b9,b13) A7

このF#m7-5の構成音はベースが「ファ#」、内声音は「ラ」「ド」「ミ」です。難しい表記に見えますが、構成音的にはそれほど変な和音ではありませんので全然大丈夫です。また、F#m7-5はFM7の代理でクライマックス感を演出するために使われます。

次にF#m7-5B7Em7の部分。先ほどやりました、違う調の2-5-1進行を急に使うアレです。ホ短調として見ると、この部分の機能はF#m7-5B7Em7になります。

お尻の部分のA7(b9,b13)は一見意味わかんないコードですが、ポリコードという技術を使った和音です。この場合のポリコードはピアノの左手で「ラ」「ド#」「ミ」を鳴らして、右手で7th,b9,b13のテンション「ソ」「ラ♯」「ファ」を鳴らします。ジャズではよく使われるテクニックですが、ポップスでは複雑すぎるため左手は「ラ」のみ弾くことによって「複雑さ」と「キャッチ―さ」を持ち合わせた和音にすることができます。

また、A7(b9,b13)のテンション「b9thとb13th」には不安定なテンションな為に傾性音と呼ばれる傾きがあります。「♭9th」は「1st」へ、「♭13th」は「5th」へ向かいたいのです。そのためA7(b9,b13)の複雑さはA7によって解決できます。

コード進行の解説【四行目】

Dm7Dm7/GDm7-5 DbM7C C7(#9)

三行目のセカンダリドミナントA7からDm7へとやってきました。次はDm7/Gですが、このコードは言い換えるとG9sus4です。Gsus4の代理として使われます。

なぜG7ではなく、G9sus4を使うのかは次のコードDm7-5が原因です。
ドミナントサブドミナントの進行はクラシックでは禁則と言われるほど気持ち悪い進行とされ、またポップスではキャッチ―さが少し危うくなってきます。その危うさの原因はG7「シ」にあり、この「シ」を消してしまおうといった考えでGsus4になったと考えられます。また前のコードがDm7のため、そこのつながりを考えるとDm7/Gが最善策のコードだと分かります。

次のDm7-5DbM7Cの部分。DbM7G7の代理コードとして使われますので、これは2-5-1進行の亜種と言えます。
ではなぜ2-5-1進行ではなく、Dm7-5DbM7といった難しいコードを使うのでしょうか。これは四行目全体を眺めると分かります。
Dm7Dm7/Gはどちらも「ラ」が使われますね。
Dm7-5DbM7はどちらも「♭ラ」が使われます。
最後の着地点であるCでは「ソ」が使われます。
大きい視点で進行を見たときに下降クリシェが作られるよう、2-5-1進行を変えたと考えられます。

また、もっと大きい視点で見てみると、このコード進行がしっくりきます。
動画を0:00に巻き戻してください。「Wow Wow Wow Yeah Yeah Yeah」の部分です。
「Yeah Yeah Yeah」のベースは「♭シ」「シ」「ド」です。
逆に、Dm7-5DbM7Cのベースは「レ」「♭レ」「ド」ですね。
半音上がっていく⇔半音下がっていく
この対比を作るため、G7ではなくDbM7を選んだと考えられます。

最後のC7(#9)ですが、この#9thは装飾的な意味合いが強いです。
#9thも傾性音ですがAメロ頭のCM7によって解決されます。
ポップスではE7(#9)がよくサビ直前に出てくるのですが、#9thを見てもビビらず装飾的な意味だろうなと思って大丈夫です。結構尖ったような音が鳴るので、相対音感が強くなると音を鳴らさなくても分かるようになります。

「JAM GEM JUMP!!!」のコード進行を解説【Aメロ編以降】

Aメロ編→ 「JAM GEM JUMP!!!」のコード進行を解説【Aメロ編】

Bメロ編→ 「JAM GEM JUMP!!!」【Bメロ編】

サビ編→ 「JAM GEM JUMP!!!」【サビ編】

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